「不貞行為の慰謝料は、どのくらいが相場なのですか。」
不貞行為の慰謝料の相場は、ご相談のときに弁護士が一番多く聞かれる質問の
一つです。
実は不貞行為の慰謝料の相場について、決まった計算式というものはありませ
ん。
不貞行為に至る事情や不貞行為によって生じた損害などの様々な事情を総合的
に考慮して、最終的な慰謝料の金額が決まります。
多くの裁判例や交渉結果などを分析すると、
一般的には５０万円～３００万円の幅に収まることが多いようです。

慰謝料の金額に影響を与える事情

●不貞行為によって離婚に至ったか

不貞行為によって婚姻関係が破壊され、離婚にまで至った場合には、損害が大きいとして慰謝料の増額要因になります。

●浮気していた期間・回数

浮気をしていた期間が長ければ長いほど慰謝料の増額要因となります。
逆に「浮気が１回だけ。」といったように不貞行為の回数が少ない場合には、慰謝料の金額は少なくなります。

●浮気を誰が主導したか

請求相手が浮気関係に入るにあたり主導的な役割を果たしていた場合には、
慰謝料の金額の増額要因になります。
主導的な役割を果たしていたことを示す事情として、
　・不貞行為に入ることに誘った
　・勤務先の上司のように優越的な地位にあった
　・年齢差が大きい
といったものがあります。

●浮気発覚後の態度

浮気が発覚した後の当事者の態度によって、慰謝料の金額が上下すること
があります。

例えば、浮気が発覚した後に当事者間で話し合いがもたれ、２度と不貞行
為をしないとの約束が交わされることがあります。
その後、その約束を破って再び不貞行為を繰り返した場合、態様が悪質で
あるとして慰謝料の増額要因になります。
また、浮気が発覚した後に開き直って、逆に配偶者に離婚を迫ったり、悪
態をつくなどの行為をした場合には、　慰謝料の金額算定のときに考慮さ
れることがあります。

上記の事情は、慰謝料の金額に与える主な事情の一例になります。
これら以外にも慰謝料の金額に影響を与える事情は多くあります。
まずは専門家である弁護士などにご相談いただければと思います。