個人再生の費用相場|弁護士・司法書士の料金と払えない場合の対処法

個人再生の費用相場|弁護士・司法書士の料金と払えない場合の対処法

「個人再生をしたいけど、費用がどのくらいかかるかわからなくて踏み出せない」という方は非常に多くいらっしゃいます。

個人再生は、住宅を手放さずに借金を大幅に圧縮できる優れた制度ですが、裁判所を通じた手続きであるため、弁護士費用に加えて裁判所への費用も必要です。2026年現在の相場を正確に把握することで、適切な準備ができます。

この記事では、個人再生にかかる費用の全体像から各費用の内訳・相場、弁護士と司法書士の費用比較、そして「費用が払えない場合」の具体的な対処法まで、包括的に解説します。

目次

個人再生とは:制度の概要

個人再生(個人再生手続き)とは、裁判所(地方裁判所)に申立てを行い、借金を大幅に減額した上で3〜5年間で返済する手続きです。民事再生法に基づいており、自己破産と異なり原則として財産を手放す必要がないため、住宅ローンを維持しながら自宅を守ることができる点が大きな特徴です。

個人再生の最大のメリットは、借金の元本そのものを大幅に減額(最大1/5まで)できることです。例えば500万円の借金が80万円になり、その80万円を3〜5年で返済するという形になります。

個人再生にかかる費用の全体像

個人再生の費用は大きく分けて「裁判所に支払う費用」「専門家(弁護士・司法書士)に支払う費用」の2つがあります。2026年現在の目安は以下の通りです。

費用の種類 金額の目安 備考
裁判所費用(合計) 約3〜28万円 個人再生委員の有無で大きく変わる
弁護士費用(住宅ローンなし) 約30〜50万円 着手金+報酬金+実費
弁護士費用(住宅ローンあり) 約40〜60万円 住宅資金特別条項の加算分あり
司法書士費用 約20〜30万円 裁判所手続きは本人が行う必要あり
合計(弁護士・住宅ローンなし) 約33〜78万円
合計(弁護士・住宅ローンあり) 約43〜88万円

費用の支払いについて

弁護士や司法書士に依頼した後は、債権者への返済が一時的に止まります。その間に毎月の弁護士費用を積み立てることができるため、依頼時点でまとまったお金がなくても手続きを開始できる事務所が多くあります。費用が心配な方はまず無料相談で確認しましょう。

裁判所に支払う費用の内訳

個人再生を申立てる際、裁判所に対して以下の費用を支払う必要があります。費用の合計額は選任される個人再生委員の有無によって大きく変わります。

① 収入印紙代

個人再生の申立て時に必要な収入印紙代は10,000円です。これは住宅ローン特則の有無に関わらず一定です。

② 郵便切手代

債権者への通知・書類送付に使用する切手代として、2,000〜4,000円程度かかります。この金額は債権者の数によって変動します。なお裁判所によって必要な切手の枚数・金額の指定が異なります。

③ 官報公告費用

個人再生の手続きは官報に掲載されます。その費用として約13,000円(2026年時点の目安)が必要です。官報公告費用は年によって変動することがあるため、申立て時に裁判所に最新金額を確認してください。

④ 個人再生委員の報酬(最大の変動要素)

個人再生では、裁判所によって個人再生委員(弁護士)が選任される場合があります。特に東京地方裁判所では、申立人が弁護士に委任していない場合(本人申立て・司法書士依頼の場合)は原則として個人再生委員が選任されます。

ケース 個人再生委員の選任 委員報酬の目安
弁護士が代理人として申立て(東京地裁) 選任されることが多いが報酬が低い 約15万円程度
司法書士・本人が申立て(東京地裁) 原則として選任される 約25万円程度
地方の裁判所(弁護士代理) 選任されない場合が多い 0円

個人再生委員が選任されない場合、裁判所費用は収入印紙・切手・官報公告費のみで合計3万円未満に抑えられます。逆に個人再生委員が選任される場合は、委員報酬だけで15〜25万円程度の追加費用が発生します。

どちらになるかは申立てる裁判所や依頼する専門家の種類によって異なるため、事前に確認が必要です。裁判所ウェブサイト(https://www.courts.go.jp/)でも手続きの概要を確認できます。

弁護士費用の相場(2026年)

弁護士に個人再生を依頼する場合の費用は、事務所によって大きく異なりますが、2026年現在の相場は以下の通りです。

費用項目 住宅ローン特則なし 住宅ローン特則あり
着手金 20〜30万円 30〜40万円
報酬金(手続き完了時) 10〜20万円 10〜20万円
実費(通信費・書類取得費等) 2〜3万円 2〜3万円
合計(目安) 30〜50万円 40〜60万円

住宅ローン特則(住宅資金特別条項)とは、住宅ローン債権者との関係を維持したまま個人再生を行う特別な仕組みです。住宅を手放したくない場合に利用しますが、手続きが複雑になるため弁護士費用が10万円程度高くなるのが一般的です。

弁護士費用の分割払いについて

多くの法律事務所では、弁護士費用の分割払いに対応しています。依頼後は債権者への返済が一時的にストップするため、毎月の返済分を弁護士費用の積立てに充てることが可能です。目安として毎月3〜5万円を積み立て、費用が貯まった時点で申立てを行う事務所が多いです。

司法書士費用の相場(2026年)

司法書士に依頼する場合の費用相場は約20〜30万円です。弁護士より安価ですが、司法書士には以下の制限があります。

  • 裁判所への申立て代理(代理人として手続き)ができない(書類作成のサポートのみ)
  • 裁判所での手続きや審尋への出席は本人が行う必要がある
  • 申立人が本人扱いになるため、個人再生委員が必ず選任される裁判所(東京地裁など)では委員報酬が高くなりやすい
  • 個人再生委員との面接・対応も本人が行う必要がある

弁護士と司法書士の費用比較(総合コスト)

比較項目 弁護士 司法書士
専門家報酬 30〜60万円 20〜30万円
個人再生委員報酬(東京地裁の場合) 約15万円程度 約25万円程度
裁判所手続きの代理 全て代理可能(本人の負担が少ない) 書類作成のみ(本人が裁判所に出向く必要あり)
トータル費用の目安(東京地裁) 約45〜75万円 約45〜55万円
本人の手間・負担 少ない 大きい(複数回の裁判所出頭が必要)
対応エリアの制限 全国対応(書面・オンライン) 一部制限あり

表を見ると、東京地裁での手続きではトータル費用の差が小さくなる傾向があります。裁判所への出頭負担や手続きの確実性を考慮すると、特別な事情がない限り弁護士への依頼が一般的です。地方の裁判所で個人再生委員が選任されないケースでは、司法書士の方がコストを抑えられる場合もあります。

費用が払えない場合の対処法

対処法1:法テラス(日本司法支援センター)の立替制度を利用する

法テラスは、国が設立した法的支援機関です。収入・資産が一定の基準を下回る方を対象に、弁護士・司法書士費用を立て替える制度(審査あり)を提供しています。

  • 立替えた費用は毎月5,000〜10,000円程度の分割で法テラスに返済(無利息)
  • 生活保護を受給している方は、返済が免除になる場合がある
  • 収入・資産要件の目安(2026年4月時点):単身者の場合、月収約18.2万円以下、資産180万円以下
  • 申込み・相談:法テラス(0570-078374)または法テラスウェブサイト(https://www.houterasu.or.jp/

法テラスを利用すれば、手元にまとまったお金がない方でも個人再生の手続きを開始できます。対応窓口が全国にあるため、地方在住の方でも利用しやすい制度です。

対処法2:弁護士費用の分割払い・積立て払いを活用する

多くの弁護士事務所では、弁護士費用の分割払い・後払いに対応しています。典型的な流れは以下の通りです。

  1. 弁護士に依頼し、受任通知を送付(この時点で債権者への返済がストップ)
  2. 毎月、それまで返済に使っていたお金を弁護士費用として積み立てる(通常3〜6ヶ月)
  3. 費用が積み立てられたら裁判所への申立てを行う
  4. 手続き完了後に残りの報酬金を支払う

この方法を使えば、初期費用ゼロや少額の着手金だけで手続きをスタートできる場合があります。

対処法3:無料相談を活用して費用の安い事務所を探す

弁護士費用は事務所によって差があります。複数の事務所で無料相談を受け、費用・対応・経験を比較した上で選ぶことをおすすめします。日弁連(日本弁護士連合会)や各都道府県の弁護士会では、無料法律相談の案内を行っています。

対処法4:自治体の無料法律相談を利用する

多くの市区町村では、弁護士による無料法律相談を定期的に開催しています。費用の見積もりや手続きの方向性を確認するのに活用できます。お住まいの市区町村の相談窓口や消費者センターに問い合わせてみてください。

個人再生の費用を抑えるためのポイント

  • 複数の事務所で無料相談・見積もりを取る:費用は事務所によって10万円以上差がある場合があります。初回無料相談を活用して比較しましょう。
  • 法テラスの利用を最初に確認する:収入要件を満たせば弁護士費用を大幅に節約できます。まず法テラスに相談の可否を確認してください。
  • 早めに相談・依頼する:借金の状況が悪化すると必要書類が増え、手続きが複雑になり費用が上がる可能性があります。また延滞が長引くと遅延損害金が膨らみます。
  • 住宅ローン特則の必要性を慎重に検討する:自宅を手放せる場合は住宅ローン特則を使わない方が費用を抑えられます(ただし自宅維持の希望がある場合は必須です)。
  • 申立て裁判所を確認する:個人再生委員の選任有無は申立て先の裁判所によって異なります。弁護士に依頼することで委員報酬を抑えられるケースがあります。
  • 必要書類を自分で集める:住民票・課税証明書・給与明細など、本人が収集できる書類は自分で準備することで実費を節約できます。

個人再生の費用に関するよくある質問(FAQ)

Q. 個人再生の弁護士費用は分割払いできますか?

はい、多くの弁護士事務所で分割払いに対応しています。依頼後は債権者への返済が一時的に止まるため(弁護士が受任通知を送付するため)、その間に毎月3〜5万円程度を積み立てて費用を賄う方が多いです。初回の無料相談で支払い方法を必ず確認しましょう。

Q. 個人再生と自己破産では、どちらが費用は高いですか?

一般的には個人再生の方がやや高くなります。自己破産(同時廃止)の弁護士費用は約30〜40万円が相場ですが、個人再生は約30〜60万円が相場です。ただし個人再生は借金を大幅に減額した上で財産を維持できるため、自宅を守りたい方や収入がある方には有効な選択肢です。

Q. 住宅ローン特則を使うと費用は上がりますか?

はい、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用する場合は手続きが複雑になるため、弁護士費用が5〜15万円程度高くなるのが一般的です。住宅ローン特則の利用には要件(住宅ローン対象の自宅に居住中であること等)があるため、弁護士に事前に確認してください。

Q. 法テラスを使えば費用はどのくらい安くなりますか?

法テラスを利用すると、弁護士費用の立替えを受け、月額5,000〜10,000円の無利息分割で返済できます。通常であれば30〜50万円を一括または短期間で払うところを、長期の少額分割に変えられるため、実質的な月々の負担を大きく軽減できます。生活保護受給者の場合は返済免除となる場合もあります。詳細は法テラス(0570-078374)または公式サイト(https://www.houterasu.or.jp/)でご確認ください。

Q. 費用を払えないと個人再生を始められませんか?

いいえ、費用が払えない状況でも手続きを始める方法はあります。法テラスの立替制度か、弁護士事務所の分割払いを利用すれば、手元にまとまったお金がなくても手続きを開始できます。まずは法テラスか近隣の弁護士事務所に無料相談することをおすすめします。

Q. 個人再生の費用はいつ支払うのですか?

弁護士費用の支払い時期は事務所によって異なりますが、一般的には(1)依頼時に着手金の一部または全部を支払い、(2)申立て前までに費用を積み立て、(3)手続き完了後に残りの報酬金を支払う、という流れになります。裁判所費用(収入印紙・切手・官報費用・個人再生委員報酬)は申立て時に必要になります。

参考・引用資料

※この記事は2026年4月時点の情報に基づいて作成しています。最新の情報は各機関の公式サイトでご確認ください。

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