「借金が膨らんで返済が厳しいけれど、マイホームだけは手放したくない」——そんな方にとって有力な選択肢が個人再生です。
この記事では、個人再生の仕組みからメリット・デメリット、費用の相場、手続きの流れまで、2025年時点の最新情報をもとにわかりやすく解説します。
個人再生とは?制度の概要をわかりやすく解説
個人再生とは、民事再生法に基づき、裁判所に再生計画を提出して認可を受けることで、借金を大幅に減額してもらう手続きです。
減額後の借金は原則3年(最長5年)で分割返済します。自己破産のように財産をすべて処分する必要がなく、住宅ローンが残っている自宅を守れる「住宅ローン特則」が利用できる点が大きな特徴です。
※個人再生を利用できるのは、借金総額が5,000万円以下(住宅ローンを除く)で、継続的な収入の見込みがある方に限られます。
個人再生の2つの手続き
小規模個人再生
個人再生の中で最も多く利用される手続きです。債権者の過半数の同意が必要ですが、返済額を大きく減額できる可能性があります。自営業者・会社員いずれも利用できます。
給与所得者等再生
安定した給与収入がある会社員・公務員が対象の手続きです。債権者の同意が不要なため、反対されても手続きを進められますが、可処分所得の2年分以上の返済が必要になるため、返済額が小規模個人再生より高くなることがあります。
個人再生で借金はいくらまで減額できる?(最低弁済額)
個人再生で減額できる金額は民事再生法第231条第2項で定められた「最低弁済額」によって決まります。
| 借金総額 | 最低弁済額 | 減額率の目安 |
|---|---|---|
| 100万円未満 | 全額(減額なし) | 0% |
| 100万円〜500万円 | 100万円 | 最大80%減 |
| 500万円〜1,500万円 | 借金総額の1/5 | 80%減 |
| 1,500万円〜3,000万円 | 300万円 | 最大90%減 |
| 3,000万円〜5,000万円 | 借金総額の1/10 | 90%減 |
※上記は「最低弁済基準額」であり、実際の返済額は清算価値基準(保有財産の総額)と比較して高い方が適用されます。
個人再生のメリット5つ
1. 借金を大幅に減額できる(最大1/10)
任意整理では将来利息のカットが中心ですが、個人再生では元本そのものを最大90%まで減額できます。借金総額が大きい方ほどメリットが大きくなります。
2. マイホームを残せる(住宅ローン特則)
「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用すれば、住宅ローンの返済は従来通り続けながら、それ以外の借金だけを減額できます。自己破産では原則として自宅を手放す必要がありますが、個人再生なら自宅を守れます。
3. 職業制限がない
自己破産では手続き中に保険募集人・警備員・士業など一定の職業に就けなくなる「資格制限」がありますが、個人再生にはこの制限がありません。
4. 借金の理由を問われない
自己破産ではギャンブルや浪費が「免責不許可事由」(破産法第252条)に該当する可能性がありますが、個人再生では借金の理由は問われません。
5. 強制執行を止められる
個人再生の申立てが受理されると、給与の差押えなどの強制執行を中止させることができます。
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個人再生のデメリット4つ
1. ブラックリストに登録される
個人再生を行うと信用情報機関に事故情報が登録されます。登録期間は以下のとおりです。
- CIC・JICC:完済から約5年
- KSC(全国銀行個人信用情報センター):手続き開始決定から約10年
この間、新規のクレジットカード発行やローン契約が難しくなります。
2. 官報に掲載される
個人再生の手続きを行うと、氏名・住所が官報(国の機関紙)に掲載されます。ただし一般の方が官報をチェックすることはほとんどなく、実際にはバレるリスクは低いと言えます。
3. 手続きが複雑で時間がかかる
申立てから認可決定まで6ヶ月〜1年程度かかるのが一般的です。提出書類も多く、弁護士に依頼するのが現実的です。
4. 安定した収入が必要
再生計画に基づいて3〜5年間の分割返済を続ける必要があるため、継続的で安定した収入が求められます。無職・収入なしの場合は利用できません。
個人再生の費用相場
弁護士費用
個人再生を弁護士に依頼した場合の費用相場は以下のとおりです。
| 費用項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 着手金 | 約30万円 |
| 成功報酬 | 約20〜30万円 |
| 住宅ローン特則加算 | +5〜10万円 |
| 合計 | 約50〜60万円(税別) |
出典:弁護士法人響、ベンナビ債務整理等の公開情報を参考に作成
司法書士費用
司法書士に依頼した場合は、書類作成費用として約30万円前後が相場です。ただし、司法書士は裁判所への代理出席ができないため、本人が裁判所に出頭する必要があります。
裁判所費用
- 収入印紙:約1万円
- 官報公告費用:約1.2万円
- 郵便切手代:数千円
- 個人再生委員が選任される場合:+15〜25万円(東京地裁では原則選任)
個人再生の手続きの流れ(7ステップ)
- 弁護士への相談・依頼:無料相談を活用して状況を整理
- 受任通知の送付:弁護士から各債権者へ通知。督促・取り立てが止まります
- 申立て準備:家計簿の作成、必要書類の収集(2〜3ヶ月)
- 裁判所への申立て:再生手続開始の申立書を提出
- 再生計画案の提出:返済計画を作成して裁判所に提出
- 書面決議・意見聴取:債権者の決議(小規模個人再生の場合)
- 再生計画の認可決定:認可確定後、計画に沿って返済開始
全体で約6ヶ月〜1年かかります。
個人再生が向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 住宅ローンがあり自宅を残したい | 無職で安定収入がない |
| 借金額が大きく任意整理では解決できない | 借金総額が5,000万円を超える |
| 自己破産の資格制限を受けたくない | 3〜5年の返済を続ける見込みがない |
| ギャンブル等で自己破産が難しい | 手続きの費用を捻出できない |
個人再生と自己破産・任意整理の違い
| 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
|---|---|---|---|
| 減額幅 | 将来利息のカット | 元本を最大90%減額 | 全額免除 |
| 自宅 | 影響なし | 住宅ローン特則で残せる | 原則処分 |
| 裁判所 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 費用目安 | 1社3〜5万円 | 50〜60万円 | 30〜80万円 |
| ブラックリスト | 完済から5年 | 5〜10年 | 5〜10年 |
| 職業制限 | なし | なし | あり(手続中) |
詳しくは以下の記事もご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 個人再生をすると家族にバレますか?
同居の家族には家計の状況を把握する必要があるため、知られる可能性が高いです。ただし、職場に通知されることはありません。
Q. 個人再生後、住宅ローンは組めますか?
信用情報の事故情報が消えるまで(5〜10年)は、新規の住宅ローンを組むのは困難です。事故情報の削除後は審査次第で可能になります。
Q. 車はどうなりますか?
ローンが残っている車は引き揚げられる可能性がありますが、ローン完済済みの車は原則として手元に残せます。
Q. 個人再生の費用が払えない場合は?
法テラス(日本司法支援センター)の立替制度を利用できます。収入要件を満たせば、弁護士費用を立て替えてもらい、月額5,000〜10,000円で分割返済できます。また、多くの法律事務所が分割払いに対応しています。
Q. 個人再生と自己破産、どちらを選ぶべき?
住宅を残したい方、職業制限を受けたくない方は個人再生が適しています。一方、返済能力がない場合は自己破産の方が適切です。まずは弁護士に相談して、ご自身の状況に合った手続きを選びましょう。
参考・出典
- 民事再生法(e-Gov法令検索)
- 日本弁護士連合会 — 債務整理の弁護士報酬のルールについて
- 弁護士法人響 — 個人再生の費用の相場
- ベンナビ債務整理 — 個人再生の費用
- 法テラス(日本司法支援センター)
※ 掲載情報は2025年時点のものです。費用は事務所や地域により異なります。最新の情報は各公式サイトや弁護士にご確認ください。
まとめ:個人再生で借金問題を解決するために
個人再生は、借金を大幅に減額しながらマイホームを守れる強力な制度です。一方で、手続きの複雑さや費用面でハードルを感じる方もいるかもしれません。
大切なのは、一人で悩まず専門家に相談することです。多くの法律事務所では無料相談を実施しており、あなたの状況に合った最適な解決策を提案してもらえます。
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借金問題は早めの対応が大切です。お気軽にご相談ください。
